5度圏(cycle of 5th)と図形の関係
さて、かなり久しぶりなこのカテゴリのエントリです。 このblogの読者の方にはご存知の方も多い(というかいまさら何よ!な内容)かと思いますが、 よく知られた5度圏(cycle of 5th)の、図形との関係について気まぐれで書いてみようと思います。wikipedia - 5度圏 12の長調のなかから任意の調を選びだし、それを出発点にして、そこから時計回りに完全五度の関係にある調を順番に配列していくと、12の長調からなる円を作ることができる。音の総数12と、完全五度に含まれる半音の数7は互いに素であるため、この方法により12の長調すべてを重複も欠損もなく取り尽くすことができる。 というわけで、説明しているサイトも多く、練習や学習にかならず出てくるcycle of 5th ですが、図形との関係についてまで書いてるサイトは意外と多くありません。 今回の図形はすべて、シンメトリック(左右対称の)図形です。5度圏においてそのような図形は、それぞれの音が対等な関係にあり、どの頂点を基点としても同じ構成音(≒代理の関係)になるということになります。 まずは、対角線を書いてみます。これはよく見ます。■ 対角線 :増4度 、ドミナント7thの裏コード これは2音ですから音程になります。増4(減5)度の関係ですね。6本ひけます。2(頂点の数)×6つ=12音。 増4度の関係にあるドミナント7thコードは裏コードと呼ばれて代理関係になりますが、この裏コードも表せると思います。 次は正三角形を書いてみます。■ 正三角形 :オーグメント オーグメント(増3和音)になります。4つ書けます。3(頂点の数)×4つ=12音。 構成音的に考えると、 Caug = Eaug = Abaug, (構成音 C, E, Ab) Faug = Aaug = Dbaug, (構成音 F, A, Db) Bbaug = Daug = Gbaug, (構成音 Bb, D, Gb) Ebaug = Gaug = Baug (構成音 Eb, G, B) となり、オーグメントは4種類に集約されます。 次は四角形を書いてみます。■ 正四角形 :ディミニッシュ ディミニッシュコード(減7和音)になります。3つ書けます。4(頂点の数)×3つ=12音。 構成音的に考えると、 Cdim = Ebdim = Gbdim = Adim (構成音 C, Eb, Gb, A) Fdim = Abdim = Bdim = Ddim (構成音 F, Ab, B, D) Bbdim = Dbdim = Edim = Gdim (構成音 Bb, Db, E, G) となり、ディミニッシュは3種類に集約されます。 この集約は、対称なスケールである、ディミニッシュスケール 、コンディミスケール にも同じことが言えます。 最後は六角形を書いてみます。■ 正六角形 :ホールトーンスケール ホールトーンスケールになります。2つ書けます。6(頂点の数)×2つ=12音。 構成音的に考えると、 C, D, E, Gb, Ab Bb ホールトーンスケールが同じ、 Db, Eb, F, G, A, B ホールトーンスケールが同じになり、 ホールトーンスケールは2種類に集約されます。 ちょっと面白くないですか? というわけで何となく図を描いてみたかったのと、レッスンとかで同じ図を何度も描くのは正直しんどいので勢いで書いてみました。 先生方、レッスンなどで5度圏を説明する際、もし必要でしたらどうぞ使ってやってください。 ・1/19日追記 蛇池センセのコメントの図も追加してみました。 ここからはほとんどオタクの世界。コメント欄で蛇池センセに書いて頂いた図をかいてみます。■奇妙な9角形 ダブルオーグメント 図がわかりにくくなるので、1つしか結びませんでしたが、ダブルオーグメントスケールを結ぶとなにやら悪魔でも出てきそうな図形です。■奇妙な16角形? コンビネーションオブディミニッシュ(コンディミ)スケール やはり図がわかりにくくなるので、1つしか結びませんでしたが、コンディミはこんな感じ。 ホント研究レベルというか、趣味の世界ですね…。 参考としては面白いです。じゃいけセンセありがとうございます!
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【2009/01/16 12:36】
フレーズ・和音・進行
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